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不良品画像0枚のAI外観検査を装置に組み込める推論ライブラリ、コード署名付きで提供開始

2026.09.10

株式会社Spotは、AI外観検査プラットフォーム「DeepAge Sensor」の教師なし異常検知について、検査装置に組み込むための推論ライブラリ(Windows向けDLL)の提供を本日より開始しました。良品画像だけで学習したモデルを装置上で実行できます。本ライブラリには当社名義のコード署名(Authenticode)を付与しており、装置メーカー様が自社製品に同梱して出荷される際にも、ファイルの発行元を明示できます。

提供開始の背景

自社の検査装置にAI検査機能を載せたい装置メーカー様から、当社は継続してご相談をいただいています。その際に繰り返し挙がる制約が3つあります。

1つ目は、学習用の不良品サンプルが集まらないことです。 装置を納入する先の工程は歩留まりが良く、不良品はそもそも出ません。出たとしても廃棄や手直しの対象で、撮影して保管する動機がありません。「学習に不良品画像を数百枚」という前提の技術は、この時点で選択肢から外れます。

2つ目は、装置にGPUを載せられないことです。 装置価格・消費電力・筐体サイズ・長期の部品供給、いずれの観点でもGPUの搭載は簡単な判断ではありません。とくに10年単位で保守する産業機器では、コンシューマ向けGPUの供給終了が現実的なリスクになります。

3つ目は、再配布時の要件です。 装置メーカー様にとって、当社のライブラリは「自社製品の一部としてお客様に届けるファイル」です。発行元が確認できないファイルを製品に同梱することは、情報システム部門の審査を通りません。また、工場や海外拠点に設置される装置では、外部との通信を行わないことが導入の前提になる場合があります。

今回提供を開始する推論ライブラリは、この3点に対応しています。

主な特徴

良品画像だけで学習したモデルを実行できる

教師なし(1クラス)異常検知に対応しており、良品画像のみから「正常の基準」を学習したモデルを実行します。不良品画像は学習に不要です。

学習と判定閾値の決定はPC・クラウド側のツールで行い、装置に組み込むライブラリは推論のみを担当します。装置側で学習を行う必要はなく、モデルはニューラルネットワーク本体と判定閾値を1つにまとめた単一ファイル(.uai)として提供されます。判定は「スコアが閾値以上なら異常(NG)」というシンプルな形です。

コード署名(Authenticode)を付与

ライブラリ本体に、当社名義のOV証明書によるコード署名を付与しています。エクスプローラのプロパティ、または signtool コマンドで、発行元が当社であることと、転送中に改ざんされていないことを確認できます。

署名にはRFC3161タイムスタンプを付与しているため、証明書の有効期限を過ぎた後も署名の検証は成功し続けます。期限到来を理由にファイルを差し替えていただく必要はありません。

GPU不要。CPUのみで動作

推論エンジンにONNX Runtime 1.27.0のCPU版を使用しており、GPU・GPUドライバ・CUDAのいずれも必要としません。

参考として、Intel Core i3-10100Y(1.30GHz)という省電力向けCPUでの実測値は、1枚あたり約54〜59ミリ秒です。上位のCPUでは相応に短縮されます。タクトタイムの設計にあたっては、導入先の実機でのご評価をお願いしています。

ネットワーク通信を行わない

推論もライセンス確認も、すべて装置内で完結します。外部との通信は一切行いません。検査画像が装置の外に出ることはなく、インターネットに接続されていない環境でも動作します。

PC上での検証結果が装置上で再現される

Windows実機での検証では、実運用相当のモデルと実画像897枚(良品504枚/不良393枚)を用い、PC上の学習ツールが出した判定と、本ライブラリが装置上で出した判定が897枚すべてで一致しました。推論失敗は0件です。C++から呼び出した場合とC#から呼び出した場合でも、スコアは完全に一致することを確認しています。

PCで確認した結果がそのまま装置上で再現されるため、組み込み後に判定を作り直す必要がありません。

C言語のインターフェース

インターフェースはC ABI(extern "C" / __cdecl)です。C/C++から直接、C#などからはP/Invokeで呼び出せます。ライブラリ本体のコンパイルは不要で、ビルド済みのファイルをそのまま配置していただけます。

提供内容

  • 推論ライブラリ本体(Windows x64・コード署名付き)
  • 推論エンジン(ONNX Runtime 1.27.0 CPU版)
  • C言語ヘッダ、インポートライブラリ
  • 動作確認用のコマンドラインツール(開発環境不要。実機にコピーしてそのまま実行できます)
  • C++/C#の実装サンプル
  • 自己診断セット(ダミーモデルとスコア既知の確認用画像。ライブラリ単体の切り分けに使用します)
  • 導入ガイド(全13ページ。配置・API・サンプルコード・トラブルシューティングを収録)
  • 第三者ソフトウェアのライセンス表示

動作要件

項目要件
OSWindows 10(1809以降)/Windows 11、64bit版
CPUx64(AMD64)。GPU不要
呼び出し側アプリx64ビルド
追加ランタイムMicrosoft Visual C++ 2015-2022 再頒布可能パッケージ(x64)
メモリ空き512MB以上を推奨

価格・提供形態

装置メーカー様向けのOEM提供と、エンドユーザー様向けの直接提供の双方に対応しています。提供形態により条件が異なりますので、個別にご相談ください。

今後の展望

当社は2018年からAI外観検査を製造現場に提供し、累計100台超の検査装置に搭載されてきました。今回の推論ライブラリにより、不良品サンプルが集まらない工程についても、装置メーカー様の製品へ組み込んだ形でご提供できるようになります。

引き続き、装置に組み込む側の制約——GPUを載せられない、通信できない、10年単位で保守する——を前提とした形での提供を進めてまいります。

DeepAge Sensor について

画像をアップロードするだけでAI検査モデルを学習し、検査用DLLとして既存システムに組み込めるAI外観検査プラットフォームです。

  • 不良品画像0枚から始められる — 教師なし異常検知に対応し、良品画像だけで「正常の基準」を学習します
  • 既存の検査装置に組み込める — 検査用DLL(Windows / UNIX)として提供。専用ハードウェアを必要としません
  • 2018年から製造現場で稼働 — 試験導入ではなく量産ラインでの運用実績です。累計100台超の検査装置に搭載されています

学習時のみクラウドへ画像をアップロードし、運用中の検査は現場で完結するため、検査画像が工場の外に出ることはありません。

問い合わせ先

株式会社Spot

Company

会社概要

会社名 株式会社Spot(英文表記 : Spot Inc.)
代表 吉田 拓真
本社 東京都千代田区二番町9-3 THE BASE 麹町1F
事業内容 AI技術を利用したサービスの企画・開発・運用
ソフトウェアサービスの企画・開発・運用
連絡先 電話 : 050-3196-8077(受付時間 : 10:00~19:00 土日祝日を除く)
e-mail : info@spot-corp.com

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